心の悩みの詳細(5)
 

強迫性障害(薬なしの改善、克服方法)


強迫性障害は厚生労働省のホームページでも解説されていますが、従来、強迫神経症と呼ばれていた症状と同じだと言えます。

これは従来の不安神経症がパニック障害と呼ばれるようになったのと同じ事なのです。

つまり、アメリカの精神医学会によって作られたDSM-IV(『精神失調の診断と統計の手引き』第4版)のひとつの分類として決められたものなのです。

ですから、強迫性障害の場合も、不潔感に対するこだわりや不完全感に対する「とらわれ」から成り立つ症状ということになります

具体的な症状は下記の通りです。

なお、今は強迫性障害の場合も、原因がセロトニンなど脳内の神経伝達物質のバランスの異常だと考えられていますが、これは一概には鵜呑みに出来ないことだと思います。

つまり、この症状の場合も、すでに森田療法によって充分、改善し、克服出来ることが証明されているからなのです。



  (強迫性障害の主な症状)
 
1.出かける時に鍵やガスの元栓が気になり、何度も戻ってしまう。
2.車を運転している時に人を引いてしまったのではないかと不安になり、引き返して確認してしまう。
3.決めた通りに行動しないと、何か悪いことが起こるように感じてしまう。
4.物がきちんと並んでいないと気になってしまう。
5.大切な物を誤って捨ててしまうのではないかと不安で物を捨てられない。
6.数字の4や9を必要以上に不吉に感じ、避けてしまう。
7.不潔に感じ、何度も手を洗ってしまう。
8.先の尖った物を見ると人を刺してしまうのではないかと不安になる。

 

(薬なしの改善、克服方法)

強迫性障害は完全欲の「とらわれ」が、その根本原因だと言って良いと思います。

つまり、強迫性障害に悩むような神経質性格の人は、元もと人一倍、完全欲が強いものなのです。

このため、何事も100%完全でないと気が済まないという面が強いのです。

しかし、100%完全ということは現実にはあり得ないことですから、100%完全を求めてしまうと、どうしても、いろいろな面でギャップを感じることが多くなってくるのです。

そして、この結果、不安や不満も感じやすくなってくるものなのです。

そして、この不安や不満だけに目を向け、これを無理に無くそうとしてしまうために、逆に必要以上に不安や不満を大きくしてしまうことになるのです。

そして、この結果、上に書かせていただいたような、いろいろな症状となって現れてくると言えるのです。

しかし、こういう状態にあっても、森田療法の考え方も身に付けていく中で、完全欲の「とらわれ」が薄れてくると、これに比例して、強迫性障害のいろいろな症状は、少しずつ改善してくるものなのです。

つまり、強迫性障害の症状が解消するかどうかは、完全欲の「とらわれ」から抜け出すことが出来るかどうかで決まってくると言って良いと思います。

そして、これは森田療法の考え方を身に付けていく中で充分、可能なことなのです。

 
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